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2005年03月29日

歴史はGoogleが作る

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ついこの前のことだが、そこそこ名前の売れたPC関係のライターの方とお話をした。年齢は私より一回り下だ。そして、話題はPCの歴史みたいなことに及ぶようになった。

そのときの会話でこんなのがあった。

「ということで、PCの最初にはApple社のAppleIIってのがかなり流行したんだよね。日本だとセットでそろえると100万円くらいしたんだよ」
「へぇー、そうなんですか。で、そのとき、IBMはどんなPCを作っていたんでしょうか?」

いや、正直申し上げて、私はちょっとですけど、絶句したね。

PCの世界の大衆への広がりは、もともとAppleが作った。その後、それを見てIBMが「IBM-PC XT」というマシンを持って参入してきた。つまり、AppleII(アップル・ツーと読むんですよ)以前には、IBMはPCなど作っていなかったのだ。

この歴史は知っている人にとってはまるで当たり前のことなんだが、たしかに、最近のPC系のジャーナリストを見ると、Googleの検索結果にひっかかってこないものは、歴史にも存在しなかった、と思っているんじゃないかな?というようなところが垣間見えるところが、なんともびっくりもし、また「ゾッ」ともした。歴史は結局選択され、公式に認知されないと歴史にはならない、と言った人がいるけれど、今は、

Googleで検索できないものは歴史に存在しない

なんていうことになっているような気がする。人に対して議論を吹っかけるとき、反論をするときにGoogleの検索結果のURLを示して「ほら、この通り」とやる。他人のふんどしでの相撲取りなんだが、まぁ、それは良しとしよう。問題なのはこの検索結果にひっかからない事象について議論しているとき「Googleにひっかからないんだから、そんなものあるわけがない」という言い方をする人がいる、ってことだ。

いやね、君の知らないことなんて、世の中にたくさんあるよ。ぼくは君よりほんのちょっとだけ、モノを知っている量が違うかも知れないけど、それだけのことだよ。そして、その知識の量はぼくが生きている時間に比例していて、かつ、その経験の途中でインターネットとかGoogleなんてものが現れた、ってことに過ぎない。でね、Googleに載らないものだって、ある、ってことは、ぼくの知識にはあるんだが、君には無いみたいだね。だから、Google以前の歴史がすべてなかったことになっちゃう、ってのは違うんじゃないかな?

ぼくはことあるごとに、そういうことを言う機会が増えたことに、正直のところ、ちょっとだけだけれど恐怖している。どんなに科学が進歩しても、ぼくらにはまだわからないことがたくさんあり、従って調べてもわからないことがあり、人間なんて自然の中ではその程度の存在なのだ、ということくらい、学校で教えてくれないかな、と思うのだ。ソクラテスの「無知の知」ってのは、こんな時代にこそ、必要なものなんじゃないかな?

でね、繰り返しになるけれど、結論はこうだ。

歴史とはGoogleのデータベースに入ってるもののことである。

投稿者 nori-m : 2005年03月29日 00:52

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