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2005年02月22日

技術の面白さ

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技術を仕事にしていて、一番エキサイティングな瞬間は、自分のこの手の先で作られている「それ」が、世の中を劇的に変えていく、という予感を感じて、まっしぐらにその技術を追求している、その瞬間なのだ。電球を考え、作ったときのエジソンがそうであっただろう。電話を作ったグラハム・ベルがそうだっただろう。ぼくはちょどインターネットというもの、コンピュータとデータ通信が融合しはじめたその瞬間に居合わせた。それは、人生最高の一瞬だったといっていい。

徹夜の仕事が終わる。まだ朝日が昇らない街角で、カラスがゴミをあさっている音が、がさがさと聞こえる。でも今の自分の気分はちょっと違う。この仕事が、日本を変えていく。世界を変えていく。朝方、まだ寝静まった街のほとんどの人たちは、まだこのことを知らない。でも、間違いなく、ぼくの手元で育っている「これ」が、世の中を変えていく。そう思えるその瞬間は、まるで自分が世界の王になったような気分がすることだってある。企業や事業を買収する、などというレベルではまったくない、おそらくは個人技が重視される、この技術という世界。

やがて昇っていく朝日が、まぶしく見えるそのとき、ぼくはなんともいえない幸せな気持ちで家路をたどる。他の人たちとは反対の方向に家路をたどる。ぼくは普通の人から見れば仲間はずれだ。心地よい仲間はずれだ。そして、家に帰ってぼくは幸せな気分で寝る。

結果はどうだ?たった10年でインターネットを使わない人はほとんどいなくなった。たった5年ほどで、ケータイのメールは普通の道具になった。ビジネスで、プライベートで、必需品になった。そう、世の中が変わったのだ。この予感を、それを作ったそのときに感じられる、というのは、大変な幸せだった、といま、ぼくは言っておこう。実際、そうだったのだから。

技術で身を立てているこの身にとって、この至福の瞬間は、なにものにも代え難かった。この瞬間のために、自分の人生があるみたいだった。

誰にだって、どんな職業にだって、同じ瞬間はどこかにあることだろう。

でも、言っておこう。技術は個人技だ。徹底した個人技だ。それが他の仕事と違うところなんだね。

投稿者 nori-m : 2005年02月22日 23:09

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